海外へ送金するには

海外へ送金するには

それいゆ通信103号

関与先の皆さま

 今年もまた梅雨の季節がやってまいりました。ぐずついたお天気が続いたかと思うと真夏日を記録したりと、寒暖の差が激しい日が続きますが、体調管理は大丈夫でしょうか。お天気が悪く曇りがちにもかかわらず、この時期には七夕があり、織姫と彦星は毎年会えないのかな?と思ってしまいます。これは旧暦の日付をそのまま新暦に持ってきてしまったためで、旧暦をきちんと新暦に換算すると7月の後半で梅雨が明けていることが多く、織姫と彦星の会える確率は高いそうです。私たちも関与先の皆様とお会いすべく、今日も元気に伺いますのでよろしくお願いいたします。それでは、事務所通信平成29年8月号とともにそれいゆ通信103号をお届けします。

 今回の事務所通信では、「残業時間と残業代の計算方法を正しく理解しよう!」について取り上げられています。具体的には、労働時間と残業代の計算方法と休日・休暇・代休・振替休日の明確な違いを理解することです。昨年から過労死のニュースに多く取り上げられていたこともあり、労働時間に対する社会の認識も厳しくなってきています。厚生労働省も経営者に、労働者ごとの賃金台帳へ労働日数、労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数などの事項を適正に記入することを求めています。労務管理の参考のために是非ご一読ください。

 今回のそれいゆ通信では、国際化に伴い外国へ送金をする関与先様が増えてきましたので、「外国送金」について取り上げます。外国送金依頼書を作成する際に、銀行から「SWIFT(スウィフト)コード」を聞かれることがあります。これは、銀行間の決済、特に国際決済に使用され8文字から11文字の金融機関コード、国名略号、所在地コード、支店コードで構成されています。日本で国内送金を行う際の銀行コード、支店コードの国際版と考えるとわかりやすいかと思います。

 外国送金をする際の特に注意点すべき2点を挙げます。

  1. 関与先様の取引先の銀行が送金の受け入れ可能なシステムに接続していない場合、いくつ
    かの銀行を経由することがあり、経由する銀行ごとに手数料が発生し、送金額が手数料分
    だけ減少することがある。
  2. SWIFTコードなどで送金先を正しく指示しないと送金が途中で止まってしまう危険性が
    あり、間違えた送金を戻すとき、さらに銀行手数料が発生します。また、経由した銀行で
    送金が止まった場合、どこの銀行で止まったかを探すのに時間がかかることがある。

 SWIFTコードと同様に外国送金の際に聞かれるものにIBAN(アイバン)コードとABA(エービーエー)コードがあります。

  ・IBANコードは、欧州連合内での外国送金を円滑化するために作られたコードで、最大34文字
   のアルファベットと数字からなり、桁数が長いため間違えないよう注意が必要です。
  ・ABAコードは米国内の銀行が個別に保有する銀行コードで米国の銀行に送金する際に使用さ
   れることが多いです。

 簡単ではありますが、今後海外への送金の際に参考になれば幸いです。(M.F)

財務会計と管理会計

財務会計と管理会計

それいゆ通信102号

関与先の皆さま

新緑がまぶしい季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。既に真夏日の気温を記録する地域も出てきており、春と夏の季節の境目がはっきりしなくなってきている印象です。日本の四季の情緒も感じられなくなるのでしょうか。さて、今年の夏は例年以上の猛暑となるようです。毎年猛暑だと言われますが、従来以上に熱中症対策はしっかりと取るようにしましょう。それでは、事務所通信平成29年7月号とともにそれいゆ通信102号をお届けします。

今回の事務所通信では、「利益向上のための4つの打ち手」について取り上げられています。具体的には、⓵固定費の削減、⓶販売数量の増加、⓷売上原価の削減、⓸販売価格を上げるの4つがあります。これらの項目の数字をシミュレーションすることで営業利益などの予想をすることができます。そのためのツールとして変動損益計算書(売上原価や販売管理費などを固定費と変動費に分けた損益計算書です。)があります。「売上が〇%増えたら、利益はいくら増えるか」「変動費や粗利益率(限界利益率)が20%から30%に変化すれば、利益はどれだけ変わるか」などを変動損益計算書では想定することが可能です。今後の自社の利益を考える上で重要な項目ですので是非ご一読ください。

 今回のそれいゆ通信では、会計の概要について取り上げたいと思います。会計には「財務会計」と「管理会計」の二種類があります。通常、会計というと財務会計を意味することがほとんどです。

 財務会計とは、株主、債権者、投資家等の企業外部に対する会計情報の提供を目的とした会計のことを言います。この会計情報を共有することで企業にかかわる人たちの様々な判断材料ともなっています。そのため財務会計は外部報告会計とも呼ばれています。財務会計は外部報告の目的で作成される為、一定の日本国や国際ルールに準じ、会計の処理と報告をする点に特徴があります。

 一方、企業内部に視点を移した会計として管理会計があります。企業内の経営者や部門管理者間で客観性を保ち、業務の共有化が求められています。そこで企業内部での現状や方向性を把握するために経営管理に役立つ会計情報を得ることを目的として管理会計が誕生しました。これは、企業内部の経営管理者が経営を含めた様々な業務の円滑な遂行に役立つものです。経営のマネジメントを如何に進めるかを決定するうえで非常に重要です。

 そして、管理会計は企業内部を対象とした性質からその会計情報は経営計画に活用されています。具体的には予算、事業計画書や中期、短期経営計画書などの資料の作成に使われます。今号の事務所通信で取り上げた変動損益計算書なども管理会計で用いられる資料です。これらは、企業の会計数字から未来を考察する際に活用され、売上や利益、経費などの数字をシミュレーションすることで今後の事業計画を立てやすくなります。また、組織内部の業績測定や業績評価などにも役立てられます。部門ごとの数字を把握することで効率性の有無、生産性の把握など組織の業務活動の現状を認識する土台ともなりますし、そこで問題があれば解決策も打てます。そのため、管理会計は総合的に経営課題を考えるツールと言えます。

 会計と一口に言ってもそれぞれで活用方法が違いますので、会計の世界も知れば奥深いものだと思います。皆さまの会計の役割について理解する一つの材料となればと思います。(N.Y)

「組織」について

「組織」について

それいゆ通信101号

関与先の皆さま

 暦の上ではもう夏となりましたが、お元気にお過ごしですか。
 ここ数日気温も25度近く、すでに半袖の人も見かけます。しかし、私の地元である北海道では5月上旬に桜が満開になります。もし、5月に北海道に行く予定がありましたら2度目(?)の花見と春を楽しんでいただけると思います。私のおすすめは函館の五稜郭です。それでは、事務所通信平成29年6月号とともにそれいゆ通信101号をお届けします。

 今回の事務所通信では、長時間労働の発生要因について取り上げられています。業務量の差が大きく繁閑時期がある場合、変形労働時間制も一つの改善策です。繁忙期の労働時間を長く設定し、閑散期の労働時間を短く設定したり、休日を増やすなどの柔軟な働き方を採用することで長時間労働を抑制することも可能です。また、社内の風土や仕組みに課題もあります。残業=評価ではないこと、残業のルール作成することで残業の必要性を確認する、仕事の進め方、労働時間の管理など会社の取り組みで改善もできます。まずは経営者と従業員が相互に問題を共有し、改善点を明確にすることが重要となります。労働時間の問題は社会問題でもある重要な項目ですので是非ご一読ください。

 今回のそれいゆ通信では、先号の経営計画の支援に関連して経営と密接に繋がる「組織」について考えてみたいと思います。
 
 会話などの文章を解析する人工知能Watosonというものがあります。Watosonは医療分野でも活用されており、病名と処置法を膨大なデータから選択して適切な回答をすることも可能で、実際に救われた患者もいるそうです。このWatosonは3.11の震災の原因を探ることにも活用されました。東電のテレビ会議で事故対応をする人たち約3万4千回(20日間)を超える発言を分析し、事故対応で何が起きたのかを探りました。事故対応で誰の発言が多いのか、話題はどういうものなのか、言動の変化などが分析され、そこで組織が陥る問題、指揮系統の一極化による意思決定者の判断待ち、それによる重要課題の後回しなどが鮮明になりました。この問題はビジネスでも頻繁に起きる課題だと思います。

 経営計画を策定することは、計画と実践の間に乖離を見つけることにあります。そこでその原因を探ることで経営問題を発見し、解決することで業務改善につなげることに意味があります。

 計画策定後、予算、計画と実際の数値を比較することで様々な問題が発見されていきます。その中には業務の意思決定方法など組織的な問題も議題に挙がると思います。解決するには、組織で何が問題となっているのか、冷静に考察することが求められます。今回Watosonは、問題が起きた時にトップに意思決定が結果的に一元化してしまったことで、重要課題が都度発生したにも関わらずトップの判断待ちで事態が悪くなったと分析しました。

 経営計画を立てることで問題は可視化され共有化もされますので、早い段階で気づきを得られます。そうすれば対処法も早めに打てますし、ここまでの問題なら自分で解決できる、ここから先はこの階級者までと選択が可能となりますので、一元化の弊害を防ぐことにもなります。言わば問題の線引きが可能となります。このように経営計画は総合的に経営課題を考えるツールともなります。

 今回は組織での活用法の一例として紹介しました。皆さまの経営計画を理解する一つの材料として考える契機になればと思います。(N.Y)

おかげさまで100号になりました!

祝100号

それいゆ通信100号

関与先の皆さま

 皆さま、こんにちは。温井德子です。今回は「それいゆ通信100号」であり、日頃なかなかお会いできない皆さまに是非ともお礼を申し上げるべく寄稿することになりました。

 思い起こせば平成21年1月、多くの方に通し番号を付けると休めないから「〇月号」とするのが長続きする秘訣とアドバイスを頂戴したにもかかわらず、無謀にも001号としてスタートしたことを覚えています。そこから8年が過ぎ、担当者も数度の変更がありましたが、現在では入社して最初の業務がお客様の社名を覚えることと、それいゆ通信の執筆になっています。

 現在の税理士法人TGNそれいゆは、その前身の温井会計事務所が本年1月で14周年を迎えました。これはひとえに、皆さまに支えてきていだだいたからに他なりません。本当に言葉では言い尽くせないほど感謝しております。最初は7坪の1フロアで父と二人で始めた事務所ですが、現在では八重洲事務所5名、八丁堀事務所7名の大所帯になりました。お客様も業種や規模など様々に広がり、最近では外国人社長の法人も増えてきております。弊社一同は、皆さまがいつも真摯に経営に取り組んでいることを支援できる喜びを感じ、また関与先企業のより良い業績と繁栄のために何が出来るのかを常に社内での検討課題としています。

 そこで15年目の今年、更にお客様との関わりを深め、より身近な相談相手として活用いただくことを目的として、提供業務の大きな転換を図ろうと考えております。それは、多くの方には従来よりご案内をしていますが、経営計画策定の支援の充実です。

 事業計画や経営計画というとどのようなイメージをお持ちでしょうか。弊社では最近、上場企業やその一歩手前のお客様のセカンドオピニオン業務の依頼があり、その際に感じるのは、いわゆる大企業にあって中小企業にないものは、事業計画、特に中・長期経営計画だということです。誤解を恐れずに言うならば、税務会計の上では、会計ソフトや販売管理ソフト等の普及により、取引数の多寡はあるにせよ、業務レベルは大企業も中小企業も大差ありません。むしろ、中小企業の方が緻密な会計処理をし、社長と経理担当者が細部まで把握していることも多いと感じています。

 一方、こと話が未来会計である経営計画に基づく管理会計に及ぶと、3年後や5年後、それどころか1年後の計画さえ数値化せずに日々仕事をされている中小企業とその社長様がほとんどではないでしょうか。海図を持たずに出航する船長さんはいないはずです。海図や羅針盤を手に、実際の運航を調整し、目的の場所へたどり着く、これは皆さんの会社経営と何も変わるところはありません。

 先月、ドイツのハノーファーで行われたCeBIT(セビット)というITビジネスの国際見本市に参加し、新しい会計システムを各国企業に向けて紹介する機会がありました。その会計システムというのは、海外の異なる科目配置基準や異なる言語による壁を越えて、世界中のあらゆる会計ソフトを皆さまが今、現にお使いの会計システムと日本語で直接連携させるという非常に画期的なソフトウエアで、確かに見本市では注目を浴びました。ところが、プレゼンテーションの合い間に他社や他国の展示ブースに行ってみると、AIやさらにそれを利用したディープラーニング(IBMのワトソンが有名ですね)、様々なIT技術のデモンストレーションに圧倒されました。

 我々会計業界では、IT技術は昨今Fintechという名称で、預金通帳をデータ化して読み込ませたり、スマホで領収証を画像として取り込むことで会計伝票が自動起票される仕組みとして、既に活用されている会社も多い技術です。そして現在はまだ、仕訳辞書を活用して起票している分についても、システムの進化に伴い、入力は次第に減っていき、すべてが自動起票になる日も近いと考えています。さて、その場合、社長や経理担当者のなすべき業務はどのようになっていくでしょうか。せっかく手元に、最新で正しかろう(最終的に適正かどうかは、月次監査が必要ではありますが)データが揃っているのに、その先の見通しはどのように検討していくのでしょうか。

 私見ですが、ここで必要になるのは、1年先、あるいは3-5年先を見据えた経営計画との比較検討、それを踏まえた改善だと考えています。ドイツのCeBITにおいても、AIは今のところ、1を5する、あるいは1から正しく10を導き出す計算に関しては、過去の膨大なデータを基に自動化できていますが、0を1にする、つまり何もないところから何かを生み出す、ゼロから将来の計画を策定していくことは今しばらく時間が必要のように感じました。さらにいうなら、今現在、数字に表さずとも既に社長の頭の中にあるビジョンを計画として数値化し、立案していくのはAIにはまだ荷が重いはずです。この社長の頭の中の考えや想いの整理を助け、数字に起こしていく支援、これこそが15年目を迎えた我々の使命なのだと強く感じたドイツ出張でした。

 さっそく今月から経営計画策定支援の担当者を選任しました。これから順次、皆さまにご連絡して、まずは当期と来期の経営計画の策定をご支援します。初年度ですから、まずは前年決算と比較して自社がどのようになっていくかの予測を相談してみてください。経営計画が出来上がると、進捗が気になり、未達成の予算数値について修正をしたいと感じるかもしれません。その場合は四半期または半期での見直しをする、あるいは一度確定したものは通年で執行状況をモニタリングし続ける、どちらも正しい予実管理の向き合い方だと思います。未来会計ともいわれるこの経営計画に基づく業績管理には、正解も不正解もなく、また会社ごとにニーズが異なり、ゴールもありません。ぜひ我々と、過去実績である月次の数値だけでなく、それに基づいた御社の未来について対話を重ねていきましょう。

 弊社のある八重洲さくら通りでは、毎年4月初旬には桜祭りがおこなわれています。新入社員が入社した会社も多く、いよいよ春に向かっていくウキウキした気分のこの時期にぜひ明るい、そして堅実な未来設計に取り掛かりましょう。計画策定についてはご支援を継続的に行い、また皆さまにご満足していただける業務を提供するよう、職員一同努めてまいります。今後ともどうぞご指導、ご鞭撻の程お願い申し上げます。

CeBITには安倍首相とメルケル首相も!
CeBITには安倍首相とメルケル首相も!
ドイツのビールで乾杯
ドイツのビールで乾杯

★新入社員歓迎会★

★新入社員歓迎会★

それいゆ通信号外

関与先の皆さま

 今年初めから入社してくれた米澤伸泰さんは北海道出身です。大学図書館で司書としての勤務経験があり、読書が趣味だそうです。入社早々の繁忙期を終え、確定申告最終日に歓迎会を行いました。
 それいゆ通信執筆者として早々にデビューしていますが、巡回監査担当者として、皆さまの会社を訪問する日も近づいています。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

               ↓↓↓歓迎会の様子です↓↓↓
             (米澤さんのお誕生日会も兼ねて) 

            70097

税金の歴史

税金の歴史

それいゆ通信099号

関与先の皆さま

 春まだ浅く、風に冷たさが感じられる今日この頃、つつがなくお過ごしでしょうか。今年の冬は気温の寒暖差が激しいので、関与先の皆さまも体調管理にはくれぐれも気を付けましょう。それでは、事務所通信平成29年4月号とともにそれいゆ通信99号をお届けします。

 今回の事務所通信では、決算手続について取り上げられています。決算日までの手続きとして滞留債権、不良債権への対処、死蔵品、たなざらし品の処分、固定資産の確認があります。決算手続は、期末における財産(資産・負債)の一切を帳簿から離れて、その実在性や網羅性を確認し確定することにあります。「資産として実在しているか」だけでなく、将来のリスクに備える意味で資産としての評価の妥当性についても検討することが必要です。決算手続で重要な項目ですので是非ご一読ください。

 今回のそれいゆ通信では、確定申告の時期ということもあり、引き続き税金について取り上げます。今回は税金の歴史のお話です。税金の起源を歴史的な流れで見ると新鮮な発見もありますので紹介いたします。
日本では3世紀頃、魏志倭人伝に日本の税に関する最初の記述があるそうです。卑弥呼が支配する邪馬台国では、税が納められていたと記述されています。その後飛鳥時代に入り、有名な大宝律令による租庸調という税の仕組みが整備され、稲や絹、特産品その他労働(年10日間都で働く!)まで様々なものを納めていました。

 奈良、平安、鎌倉、室町時代には、基本的には年貢を納め、納税者は主に農民でした。鎌倉時代に入ると更に不役(労働で納める税)も課せられ、納税の負担が増してきます。室町時代には、商業活動の発達で商工業者に対しても税が課せられ、街道の関所では、関銭(通行税)などが税となりました。税の細分化と納税者の対象も農民、商人へと拡大されています。

 安土桃山時代には、豊臣秀吉が税金の徴収を厳格にしていきます。太閤検地により全国の田畑の広さを測り、年貢取り立ての基準「石高(こくだか)」を定めました。当時の税率はかなり高く、収穫の三分の二を年貢として納めていたそうです。豊臣政権は割と苛政だったという説もあります。

 江戸時代では、農民は田畑に課税される年貢の地租が中心で米などを納め、商工業者に対する税も、運上金・冥加金(同業者に商売の特権を認めるかわりに納める税)といった形で納められました。明治・大正・昭和時代から税金も現代的になります。明治時代には地租改正で地価の3%を地租として貨幣で納めるようになり、更に所得税や法人税もこの時代から始まります。1946年には日本国憲法の公布で納税の義務も定められます。納税者の対象が全国民へと変わります。

 歴史的に見ると、時代のプレーヤーとして影響力を持つと納税者となるようです。古くから農民が納税の対象者となってきたのは、国の食を支える仕事をしていたからです。経済が発展することで経済を動かす商人も対象者となり、一方で税の恩恵を受けてきた特権階級者も明治以降には特権が剥奪され、納税者へと立場が変わります。こうして納税者が全国民に課せられるようになります。納税者であるということは、その時代を担っていることであると考えると税金についても興味を持たれるのではないでしょうか。

(N.Y.)

税務署と都県税事務所の違い

税務署と都県税事務所の違い

それいゆ通信098号

関与先の皆さま

 立春を過ぎたとはいえ、本格的な寒さはまだしばらく続くのではと思われる時期ですが、いかがお過ごしでしょうか。そろそろ首都圏では花粉症の予防、対策などを取り上げた番組や雑誌等が出てくる頃です。北海道では、スギ等の植生が限定的なため花粉症に罹る人が少ないので、私もまだ花粉症の洗礼を受けておりません。このまま未経験で過ごしたいものです。花粉症の方はくれぐれもご自愛ください。それでは、事務所通信平成29年3月号とともにそれいゆ通信98号をお届けします。

 今回の事務所通信では、税務調査のポイントについて取り上げられています。税務調査による申告もれの指摘や追徴税額を受けるケースが増加しているというデータが概要や図表とともに紹介されています。安心して税務調査を受けるポイントとしては、日々の記帳を正しく行う、月次決算を行い巡回監査を受けるという2つがあります。この両者を実践することで決算書の信頼性が高まり、更に経営分析に役立つ資料にもなります。そして、その一助となるものとして書面添付制度の活用も別枠で紹介されていますので、是非ご一読ください。

 今回のそれいゆ通信では、確定申告の時期ということもあり、税金を取り扱う税務署と税事務所の違いにについて取り上げたいと思います。「署」と「所」の違いを調べてみると字以上に異なるもので、税金に対する理解が深まるものと感じましたので紹介いたします。
 
 税務署と税事務所の違いは、国税と地方税という税の種類によって分けられています。国税は国に納めるもの、地方税は住んでいる都道府県や区市町村に納めるものです。当然管轄組織も違います。ご存知の税務署は国税庁の地方出先機関のことで所得税、法人税、相続税などの国税を取り扱います。税務署は、国税庁や国税局の指導及び監督のもとに、内国税の賦課・徴収を担当する最前線の執行機関であり、納税者と最も密接なつながりを持つ行政官庁です。全国に524 署置かれており、それぞれ各国税局、沖縄国税事務所に所属しています。そして、国税庁は財務省の外局に位置付けられています。

 一方、地方税は県税と市町村税に分かれ、扱う機関も違います。前者は都道府県税事務所、後者は市役所、町役場、村役場(税務課など)になります。都道府県ということから総務省が上部組織となります。

 しかし、税目によって国税と地方税が密接に関わっているものもあります。例えば、自動車税や自動車取得税は都道府県が課税するので、税事務所が担当する事になります。ですが、同じく自動車の税金である自動車重量税は国税となりますので、税務署の管轄になります。また、軽自動車税は市町村が課税するので市町村税となり市役所などが取り扱います。

 通常、税金の支払いに関しては、納税通知書通りに支払っていますので、納付先がどの機関であるかはあまり気に留めない人も少なくないのではないでしょうか。ただ、こうした事情を知ると税金の使い途がどのようになっているのかをイメージしやすくなるかもしれません。

 なお、税務署と税事務所では、取り扱う種類は異なりますが、基本的な税金に関する法律は同じです。税金の納付先という観点から税金を見ると通常にはない税金の捉え方ができると思いますが、関与先の皆さまはどう感じましたでしょうか。以上、今号のそれいゆ通信でした。(N.Y)

アメリカ大統領のはなし

アメリカ大統領のはなし

それいゆ通信097号

関与先の皆さま

 明けましておめでとうございます。今月から入所いたしました米澤と申します。今号よりそれいゆ通信を担当することになりました。寒さには強いと言い切れず日々気温のチェックを欠かさない北海道出身者です。税務・会計に関しましては浅学の身ではありますが、関与先の皆さまのお役にたてるよう精一杯努めますのでどうぞよろしくお願いいたします。それでは、事務所通信平成29年2月号とともにそれいゆ通信97号をお届けします。

 今回の事務所通信では、週40時間制の基本と働き方が取り上げられています。これは現在政府でも「働き方改革」として取り組んでいる社会的な問題でもあります。法定労働時間と所定労働時間の違い、法定内残業と法定外残業(法定労働時間一日8時間を超える残業)では特に後者の場合に一定割合以上の割増賃金を支給する必要があります。また、多種多様な業種、業態から変形労働時間制の活用、平成30年から始まる配偶者控除にも関連するパート従業員の活用などが記載されています。なお、配偶者控除は別の特集でも紹介されていますので是非ご一読ください。

 今回のそれいゆ通信では、今月20日にトランプ氏の米大統領就任式が予定されていますので、米大統領について取り上げたいと思います。ニュースなどでは、トランプ氏の過激な言動や政治経験の無さなどから既に識者が様々な評価をしています。では歴代米大統領はどんな評価を受けてきたのでしょうか。

 米国の人物評価の事例として歴代米大統領のランキングというものがあります。これは大統領個々の業績をランク付けするために行われた政治学における調査結果を示すそうで、ランキングの方法は、歴史家や政治学者の調査あるいは世論調査に基づいています。一般的なランキングの評価項目は、大統領の業績、指導力の質、失政、および過失(汚職など)などがあります。
上位3人はジョージ・ワシントン、エイブラハム・リンカーンおよびフランクリン・ルーズベルトで様々なランキングでも常に上位に入っており、日本人でも著名な人物たちです。

 最初の調査は、1948年にハーバード大学の歴史家アーサー・M・シュレジンジャー・シニアによって行われました。その後、シエナ大学の研究所やウォールストリート・ジャーナルなど様々な所で大統領の評価、ランキングが行われています。
特にランキングの評価項目が多彩なシエナ大学の研究所では、経歴(=教育、経験など)、党首としての指導力(=組織の長)、コミュニケーション能力、議会(=利害関係者)との関係、判事任命(=専門職の人事)、アメリカ(=ビジネス環境)経済に関する手腕、運勢、妥協を生み出す能力、リスクを恐れない勇気、省庁人事(=適材適所の人事)、全般的な能力(=ビジネススキル)、想像力、国内(=自社企業)の業績、品性、行政能力(=実務能力)、外交(=商談など)の業績、指導力(=一般的)、知性、致命的な失敗を避ける能力、概観という20項目で歴史家などによる採点が実施されています。(括弧枠は執筆者の個人的な解釈です。)

 上記の評価項目を見るとビジネスマンの仕事の鑑としても応用できます。私個人としては、新人なのでリスクを恐れない勇気(リスクマネジメントも念頭に)で日々の業務を実践したい所です。関与先の皆さまはどの評価項目に関心を持ちましたでしょうか。最後になりますが、本年もよろしくお願いいたします。

(N.Y.)

年末調整と確定申告

年末調整と確定申告

それいゆ通信096号

関与先の皆さま

関与先の皆さま
 こんにちは。今年も残り1か月を切りました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックで外国人観光客の増加が見込まれる中、都営地下鉄では今年度中に日英中韓の4言語に対応し、画面上に表示された観光スポットや路線図から目的地を探して切符を購入できる券売機を新設するそうです。このような話題からでも2020年の準備が着々と進んでいることがよくわかりますね。それでは、事務所通信平成29年1月号とともにそれいゆ通信96号、毎年恒例の一粒万倍日カレンダーをお届けします。

 今回の事務所通信では、給与支払いに関係する法定調書や外部への報酬等の支払いに関係する法定調書のマイナンバー記載上の注意点について取り上げられています。主に前者では源泉徴収票等へのマイナンバー記載の猶予、本人へ交付する源泉徴収票などのマイナンバー記載不要について、後者では報酬等の支払先等からマイナンバーの提供が受けられない場合の対応の仕方について紹介されていますので是非ご一読ください。

 今回のそれいゆ通信では、「年末調整と確定申告」について取り上げます。源泉徴収と年末調整の仕組みは、国が確実に税金を集めるためにできた制度であるといわれており、日本で給与所得に源泉徴収が導入されたのは1940年で、背景には効率的な戦費調達がありました。一方、年末調整が導入されたのは1947年で、源泉徴収をしていればわざわざ確定申告をしなくて済む簡単な仕組みとして採用されました。

 では、自営業者などは自分で毎年2~3月に税務署に所得税額を確定申告して納めますが、会社員は一般的に会社が行う年末調整により確定申告をする必要がないことが多いのはなぜでしょうか。それは会社が給料から所得税額を天引きして代わりに税務署に納める源泉徴収の仕組みがあるためです。会社は社員の月給やボーナスから国税庁が毎年作成する「源泉徴収税額表」に基づいて所得税額を差し引いています。
 ただ、この税額はあくまでも概算の税額であることから、年末調整により控除が受けられる生命保険料や社会保険料なども踏まえて計算した年税額と会社が毎月の源泉徴収で納めた金額の差を年末調整により計算した年税額に合わせることで毎年の最終的な税額が確定し、会社が発行する源泉徴収票の「源泉徴収税額」で確認することができます。

 会社員でも確定申告が必要となる場合とはいったいどのような場合でしょうか。例えば、家賃などの副収入が年間20万円を超える場合や同一世帯で一定額以上の自己負担があれば受けられる医療費控除、住宅ローン控除の適用初年度の場合などが挙げられます。
 ちなみに住宅ローン控除の適用初年度に確定申告が必要な理由は、税務署がこの控除の適用要件に合致しているかどうか申告書に添付された住民票の写し、住宅ローンの残高証明書、家屋の登記事項証明書や売買契約書の写しなどの提出書類から判断するためで、2年目以降は年末調整でこの控除を受けることができます。ただし、確定申告した後に税務署から年末調整の際に必要となる「住宅借入金等特別控除申告書」が控除できる年分まとめて送られてくるため、もし紛失してしまうと、社員本人が住所地を所管する税務署に再交付の手続きをしなければならないので注意が必要です。

 今号で今年最後のそれいゆ通信となります。忘年会が続きますが体調に気を付け、最後まで全力で走りましょう!