それいゆ通信

企業とリスク管理

それいゆ通信040号

関与先の皆さま

 こんにちは。いよいよ春がやってきましたね。桜が開花し、TVでも全国各地のお花見の模様が放送されています。今年は、そんな桜を目当てにした外国人観光客が多く訪れているそうです。桜の持つ華やかさと、一体となった侘び寂びは、我が国の風土の美しさのほんの一端に過ぎませんが、世界にアピールできる素晴らしい文化ですね。それでは、事務所通信平成24年5月号とそれいゆ通信040号をお届けします。

 今回の事務所通信は、先月号の法定労働時間と所定労働時間の続きとして、残業時間と残業代について取り上げています。経営者にとって残業代は頭の痛いところですが、まずは正しい知識を押さえ、それを踏まえた工夫改善によって残業を減らすという考え方が求められています。ぜひご一読ください。
 
 今回のそれいゆ通信では、東日本大震災から1年を経て、企業存続の危機との関連を探ってみたいと思います。企業経営において重要な要素は、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」といわれています。震災等により、これらのいずれかを失っても大きな影響を受けますが、中でも「ヒト」の要素の重要度は大きいと思います。というのは、不足したからと単に補充するだけでは経験と知識を持つ社員の代替とはなり得ないからです。社員の安全を確保してはじめて緊急時の対応や、事業継続・早期復旧が可能となります。しかし中小企業においては、防災マニュアルや事業継続計画(BCP)はまだまだ普及しているとは言い難く、まずは防災マニュアルを作成し、震災時の社員の安全を図ることが必要です。下記のチェックリストを用いて、早めの対応が必要とされるリスクについて、自社の対応度をチェックしてみましょう。

[災害・事故のリスク]

①大型地震などに備えて、社員の安否確認の方法や避難場所を決めて徹底させていますか。
②地震に備えて、建物の補強や什器の転倒防止策を行い、社員の避難時の動線確保等の点検をしていますか。
③地震・火事・津波等の緊急事態に備えて、定期的に避難訓練を行っていますか。
④設備・什器、商品・原材料の倉庫は、いつも整理・清掃を行い、消火設備とその使用環境の点検を行っていますか。
⑤社員の業務中あるいはマイカー通勤途中での自動車事故を起こさないように、車輛台帳と安全管理規程を作っていますか。

[経営管理上のリスク]

⑥仕入先、仕入ルート、輸送等の万一の事態に備えて、仕入先の分散を図り、代替輸送方法の具体策を決めていますか。
⑦得意先ごとの売掛金の回収状況が把握できる一覧表を作り、回収遅れをチェックし、対応策を実行していますか。
⑧自社の商品・サービス・業務の不備・欠陥による被害を起こさないように品質管理マニュアルを常に改定し、徹底していますか。
⑨顧客情報などの情報漏洩事故を防ぐために、管理規程を整備し社員に徹底していますか。
⑩重要な情報・データは定期的にバックアップを行い、社内以外の安全な場所にも保管していますか。

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