税務署と都県税事務所の違い
20/02/05
それいゆ通信098号
関与先の皆さま
立春を過ぎたとはいえ、本格的な寒さはまだしばらく続くのではと思われる時期ですが、いかがお過ごしでしょうか。そろそろ首都圏では花粉症の予防、対策などを取り上げた番組や雑誌等が出てくる頃です。北海道では、スギ等の植生が限定的なため花粉症に罹る人が少ないので、私もまだ花粉症の洗礼を受けておりません。このまま未経験で過ごしたいものです。花粉症の方はくれぐれもご自愛ください。それでは、事務所通信平成29年3月号とともにそれいゆ通信98号をお届けします。
今回の事務所通信では、税務調査のポイントについて取り上げられています。税務調査による申告もれの指摘や追徴税額を受けるケースが増加しているというデータが概要や図表とともに紹介されています。安心して税務調査を受けるポイントとしては、日々の記帳を正しく行う、月次決算を行い巡回監査を受けるという2つがあります。この両者を実践することで決算書の信頼性が高まり、更に経営分析に役立つ資料にもなります。そして、その一助となるものとして書面添付制度の活用も別枠で紹介されていますので、是非ご一読ください。
今回のそれいゆ通信では、確定申告の時期ということもあり、税金を取り扱う税務署と税事務所の違いにについて取り上げたいと思います。「署」と「所」の違いを調べてみると字以上に異なるもので、税金に対する理解が深まるものと感じましたので紹介いたします。
税務署と税事務所の違いは、国税と地方税という税の種類によって分けられています。国税は国に納めるもの、地方税は住んでいる都道府県や区市町村に納めるものです。当然管轄組織も違います。ご存知の税務署は国税庁の地方出先機関のことで所得税、法人税、相続税などの国税を取り扱います。税務署は、国税庁や国税局の指導及び監督のもとに、内国税の賦課・徴収を担当する最前線の執行機関であり、納税者と最も密接なつながりを持つ行政官庁です。全国に524 署置かれており、それぞれ各国税局、沖縄国税事務所に所属しています。そして、国税庁は財務省の外局に位置付けられています。
一方、地方税は県税と市町村税に分かれ、扱う機関も違います。前者は都道府県税事務所、後者は市役所、町役場、村役場(税務課など)になります。都道府県ということから総務省が上部組織となります。
しかし、税目によって国税と地方税が密接に関わっているものもあります。例えば、自動車税や自動車取得税は都道府県が課税するので、税事務所が担当する事になります。ですが、同じく自動車の税金である自動車重量税は国税となりますので、税務署の管轄になります。また、軽自動車税は市町村が課税するので市町村税となり市役所などが取り扱います。
通常、税金の支払いに関しては、納税通知書通りに支払っていますので、納付先がどの機関であるかはあまり気に留めない人も少なくないのではないでしょうか。ただ、こうした事情を知ると税金の使い途がどのようになっているのかをイメージしやすくなるかもしれません。
なお、税務署と税事務所では、取り扱う種類は異なりますが、基本的な税金に関する法律は同じです。税金の納付先という観点から税金を見ると通常にはない税金の捉え方ができると思いますが、関与先の皆さまはどう感じましたでしょうか。以上、今号のそれいゆ通信でした。(N.Y)