それいゆ通信

改めて、社会保険について

それいゆ通信105号

関与先の皆さま

 朝夕はめっきり涼しくなりましたが、関与先の皆さまはいかがお過ごしですか。涼しいだけならよいのですが、各地で豪雨が続き、豪雨は日本のみならずアメリカ・テキサス州では総雨量1300ミリ超の雨が降ったそうです。インタビューを受けていた男性の映像を見ましたが、3日間横から雨が降っていたと話していました。いつの間にか異常気象という言葉も当たり前のようになっているような気がして怖いですね。こんな時こそ、柔道・卓球・バドミントンなどのメダルラッシュや眞子様のご婚約内定など明るい話題にあやかって頑張っていきましょう!それでは、事務所通信平成29年10月号とともにそれいゆ通信105号をお届けします。

 今回の事務所通信では、「早期経営改善計画」を取り上げています。早期経営改善計画策定は、従来の経営改善計画策定とは異なり、金融支援も、経営改善計画に対する金融機関の同意もなく、従来の計画策定制度よりも入口のハードルを下げた施策になっていることが特徴です。

 計画策定においては、まず、経営者が自社の現状と課題に向き合うことで、経営改善への意識を高め、認定支援機関による経営改善計画策定支援事業のスキームを活用し、基本的な内容の経営改善の取り組みにより、資金繰り管理や採算管理を行うことで強い会社づくりを支援しようという制度です。解説には計画策定についての手順のポイントが示されていますが、ここでの本当の狙いは「金融機関との関係強化」にあります。是非この機会にこの制度を活用してみてはいかがでしょうか。

 今回のそれいゆ通信では、「社会保険」について取り上げます。社会保険は、広義において、医療保険・年金保険・雇用保険・労働者災害補償保険の4種類がありますが、一般企業において社会保険といえば、「健康保険」と「厚生年金」を指します。よく社会保険は「労使折半」といいますが、本当にそうでしょうか。

 皆さまご存知の通り、労使折半の部分は健康保険だけで、厚生年金については「子ども・子育て拠出金」という使用者(事業主)のみが負担するものがあります。子ども・子育て拠出金は、次代の社会を担う子ども一人ひとりの育ちを社会全体で応援するため、子育てにかかる経済的負担の軽減や安心して子育てができる環境整備のための施策など、総合的な子育てを支援するという目的のもと政策的に創設され、その創設意図からわかる通り、厚生年金加入者の子どもの有無や年齢に関係なく社会全体で負担することとなっています。平成29年度においては、標準報酬月額の0.23%を使用者が負担し、厚生年金と共に納めることとなっています。この拠出金は、子ども・子育て支援法など関連3法に基づいて幼稚園や保育所に対する給付や児童手当に充てられます。

 また、こちらは労使折半ですが、健康保険において40歳以上は「介護保険」の負担が発生します。高齢化社会に伴って創設されましたが、こちらも国民の共同の連帯という理念のもと、社会全体で負担していくために平成12年から介護保険料の徴収が開始されました。平成29年9月からは標準報酬月額の1.65%(協会けんぽ)となっています。介護保険料は介護保険法に基づき、介護が必要になった人が介護サービスを少ない負担で受けられるようにするために徴収されています。

 子ども・子育て支援と介護支援を社会全体で支援していくということは相互扶助や社会奉仕の精神からすると素晴らしいものといえますが、事業主からしてみると年々費用負担が増えており、悩みの種なのも事実です。

 さて、今月は社会保険料の標準報酬月額改定月です。お手元に標準報酬月額決定通知書が届いていると思いますので、ご確認いただき給与計算の際は金額の変更にご注意ください。(T.N)
 

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