それいゆ通信

「組織」について

それいゆ通信101号

関与先の皆さま

 暦の上ではもう夏となりましたが、お元気にお過ごしですか。
 ここ数日気温も25度近く、すでに半袖の人も見かけます。しかし、私の地元である北海道では5月上旬に桜が満開になります。もし、5月に北海道に行く予定がありましたら2度目(?)の花見と春を楽しんでいただけると思います。私のおすすめは函館の五稜郭です。それでは、事務所通信平成29年6月号とともにそれいゆ通信101号をお届けします。

 今回の事務所通信では、長時間労働の発生要因について取り上げられています。業務量の差が大きく繁閑時期がある場合、変形労働時間制も一つの改善策です。繁忙期の労働時間を長く設定し、閑散期の労働時間を短く設定したり、休日を増やすなどの柔軟な働き方を採用することで長時間労働を抑制することも可能です。また、社内の風土や仕組みに課題もあります。残業=評価ではないこと、残業のルール作成することで残業の必要性を確認する、仕事の進め方、労働時間の管理など会社の取り組みで改善もできます。まずは経営者と従業員が相互に問題を共有し、改善点を明確にすることが重要となります。労働時間の問題は社会問題でもある重要な項目ですので是非ご一読ください。

 今回のそれいゆ通信では、先号の経営計画の支援に関連して経営と密接に繋がる「組織」について考えてみたいと思います。
 
 会話などの文章を解析する人工知能Watosonというものがあります。Watosonは医療分野でも活用されており、病名と処置法を膨大なデータから選択して適切な回答をすることも可能で、実際に救われた患者もいるそうです。このWatosonは3.11の震災の原因を探ることにも活用されました。東電のテレビ会議で事故対応をする人たち約3万4千回(20日間)を超える発言を分析し、事故対応で何が起きたのかを探りました。事故対応で誰の発言が多いのか、話題はどういうものなのか、言動の変化などが分析され、そこで組織が陥る問題、指揮系統の一極化による意思決定者の判断待ち、それによる重要課題の後回しなどが鮮明になりました。この問題はビジネスでも頻繁に起きる課題だと思います。

 経営計画を策定することは、計画と実践の間に乖離を見つけることにあります。そこでその原因を探ることで経営問題を発見し、解決することで業務改善につなげることに意味があります。

 計画策定後、予算、計画と実際の数値を比較することで様々な問題が発見されていきます。その中には業務の意思決定方法など組織的な問題も議題に挙がると思います。解決するには、組織で何が問題となっているのか、冷静に考察することが求められます。今回Watosonは、問題が起きた時にトップに意思決定が結果的に一元化してしまったことで、重要課題が都度発生したにも関わらずトップの判断待ちで事態が悪くなったと分析しました。

 経営計画を立てることで問題は可視化され共有化もされますので、早い段階で気づきを得られます。そうすれば対処法も早めに打てますし、ここまでの問題なら自分で解決できる、ここから先はこの階級者までと選択が可能となりますので、一元化の弊害を防ぐことにもなります。言わば問題の線引きが可能となります。このように経営計画は総合的に経営課題を考えるツールともなります。

 今回は組織での活用法の一例として紹介しました。皆さまの経営計画を理解する一つの材料として考える契機になればと思います。(N.Y)

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