それいゆ通信

時間管理

それいゆ通信031号

関与先の皆さま

 こんにちは。毎日暑い日々が続きますね。皆さまの会社でも節電推進ということで、エアコンの調節やクールビズなど様々に工夫を凝らされているかと思います。とはいえ、今年の夏はまだまだ始まったばかり、体調管理や衛生管理をしっかりおこなって、乗り切りましょう。夏季休暇など休日には体を休めて、メリハリのある生活を心がけたいですね。

 今回の事務所通信は、労務面の記事に重点をおいてみましょう。『勤務時間・体制の変更に伴う留意点』に関して、今夏は、節電や生産調整の影響で従業員の就労状況に変化がある会社も多いようです。会社都合でなくとも、代休や振替休日などの設定には就業規則の整備や変更が必要なこともあります。またサマーターイム導入などでは、後で労働基準法の条件に合わなかった等ということがないよう十分配慮しておくようにしてください。

 それいゆ通信では、営業にまつわる時間管理について考えてみましょう。例えば、皆さまの会社では営業地域をどのようにとらえていますか。このご時世、仕事がある以上、呼んでいただけるならどこまででもというケースが多いかと思います。私ももちろん同様の意識ですが、果たしてどこまでそれが通用するのか、効率面から時間の使い方のルールはないのかと考えることがあります。そこで、最近読んだ本からのエッセンスをご紹介します。

 まず、営業部門の時間の使い方を調べてみましょう。最初は、営業地域を回る際の移動時間の管理について。移動中は電車代やガソリン代など経費を多く使うものの粗利益は全く生み出さないので、営業生産性はマイナスになります。1回当たりの取引高が多い業種は別にして、移動時間は製造業と卸売業では業務時間全体の45%以内、販売業では35%以内に抑えないと採算がとれないようです。
 
 次に社内業務への投下時間を見直してみましょう。これは主に行動計画や業務日報の記入、打合せや会議などで営業活動には欠かせないものですが、実はここからも1円も粗利益は生まれません。よって全体の25%以内に抑えられれば理想的です。
 
 3番目は、本来の業務である顧客活動の時間管理です。粗利益が生まれる唯一の仕事となります。もちろん社内にいても、お客様に電話をしたりメールする時間もこの時間に含まれます。給与に見合うだけの粗利益を稼ぎだすためにも、この時間は最低でも30%~35%は必要だと考えられます。
 
 そこで、営業地域と時間管理の関係を考えていくと、営業地域が能力以上に広くなると、移動時間が55%や60%台になってしまう恐れがあり、こうなると本来の業務である顧客活動へ投下できる時間が20%程度になってしまいます。これでは営業担当者は道には詳しくなるものの、たいがい赤字になってしまいます。
 
 時は金なりということで、時間は経費でもあるという意識を持つべきでしょう。社長は営業地域の戦略と営業担当者の移動時間の2つを検討し、ときには営業地域の最大範囲を狭め、対象エリアを絞り込むことも必要ではないでしょうか。
 
 また営業担当者には、日報の作成を義務付け、1日の終わりに時間の使い方を振り返り、翌日以降へ活かすよう反省や検討をすることを意識させることで、時間やその他経費の使い方の見直しを促すことも大切です。メジャーリーグのイチロー選手は、毎試合後必ず、道具の手入れをし、その日の試合を反芻しながら、頭の中の整理をし、結論が出てから野球場を後にするといいます。前に前にと仕事をすることも大切ですが、目標達成のために、過去の反省を踏まえた行動がとれるように自分の時間の使い方を見直す機会を持つよう意識してみましょう。
 
 それでは、またお会いできるのを楽しみにしております。

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