18歳選挙権について
2016/06/08
それいゆ通信090号
関与先の皆さま
こんにちは。雨に映える紫陽花の花が美しい梅雨の時期となりました。気象庁の発表では、6月5日に関東甲信地方が梅雨入りしたとのこと。これは平年より3日早く、昨年より2日遅い梅雨入りだそうです。最近、TVなどのメディアでは「梅雨の時期を楽しもう」ということで、様々な傘の特集が組まれています。従来の金属の骨組みに変わり24本骨なのに骨をグラスファイバー製にして軽量化した傘や、お子様やペットと一緒に入れるように考慮した80cmサイズの傘など、気づかないところで傘も進化してるんですね。私も傘を新調してすっきりと気分転換しようかな。それでは、事務所通信平成28年6月号とそれいゆ通信090号をお届けします。
今回の事務所通信は、2016年版小規模企業白書による小規模事業者の商圏拡大・売上増加要因について触れています。小規模事業者は、経営資源(人材、資源等)に大きな制約があるうえに、商圏や取扱商品・サービスが限定され、その上、価格競争やリスク対応力が弱く、構造変化の影響を受けやすいといわれています。しかし、2016年版小規模企業白書によると、商圏拡大、IT活用、経営計画作成などの取り組みを通じて、需要を踏まえた販路開拓などが一層活発に行われることが、今後、小規模事業者が持続的に発展していくための鍵になるとしています。特に、経営計画作成については効果を実感する経営者が増加傾向にありますので、経営計画作成や見直しなど、作成経験が豊富な当社に是非ご相談ください。
ここ数日、街を歩いていると参議院選挙の立候補者掲示板が立ち始めています。そこで、今回は7月10日の参議院選挙から投票可能となる「18歳選挙権」について取り上げたいと思います。6月19日、選挙権年齢を現行の「20歳以上」から「18歳以上」へと引き下げる改正公職選挙法が施行されます。男女普通選挙が実現した1945年の見直し以来、約70年ぶりの選挙権拡大となります。これにより、1998年7月11日までに生まれた人が投票権を得ることになり、18、19歳の約240万人(有権者全体の約2%)が新たな有権者に加わります。そして、選挙権拡大に伴い、18,19歳の選挙運動も解禁され、ツイッターやLINEなどのSNSでの選挙運動も可能となります。一方、禁止事項も多くあります。例えば、メールを使った選挙運動は政党や候補者に限られ、政党などから届いた選挙運動のメールの転送は禁止されています。また、選挙運動を目的としたウェブサイトは、解説者のメールアドレスなどの表示が義務とされています。18、19歳の未成年でも、買収など連座制の適用となるような悪質な選挙違反に関われば、家庭裁判所が原則、検察官送致(逆送)とするので、成人並みの厳しい処罰を受けるという点も注意が必要です。
そもそも、選挙年齢が18歳へと引き下げられたのはどういった経緯だったのでしょうか。そのきっかけとなったのは、安倍首相が目指す憲法改正に関する手続きを定めた国民投票法でした。改正国民投票法では、国民投票が可能な年齢を18歳以上としたため、その付帯として選挙権年齢も引き下げたという経緯があります。また、少子高齢化も選挙権年齢の引き下げを後押ししました。有権者に占める高齢者の割合が一層高くなる反面、国の借金や社会保障制度など今の若い世代が将来的に影響を受ける課題の重みが増したため、若い世代の声をもっと国政に反映させるべきだという声が強まったことも影響しています。政治は投票率の高い高齢者らに目を配りがちです。日本では諸外国に比べ、子育て支援など、若い世代向けの予算より、介護、医療、年金など高齢者に充てる予算が手厚いといわれています。若者の声が政策に反映されるかどうかは、その投票率が重要な要素になりそうです。すでに高校生は学校の授業で選挙や選挙権について学習されているようですし、お子様やご親戚に18,19歳の方がいらっしゃれば、話し合われてみてはいかがでしょうか。
ただ、注意点として、国民投票年齢、選挙権年齢は下がっていますが、民法が規定する「成人」の年齢は「20歳」のままです。当然、お酒やたばこなどは従前どおりの取り扱いです。こういった点も踏まえると、大人の定義を巡る議論は今後も続きそうですね。
安倍首相は選挙の争点として、消費税増税を延期したということの「国民の信を問う」と表明しているそうです。延期した分の財源についてこれから議論していくことになるとは思いますが、私たちの納めた税金が適正適所に使われるようきちんと見守っていきたいですね。この点はどこかの知事のように不透明な会計処理が行われないことを願っています。