売上低下の原因は?

売上低下の原因は?

それいゆ通信032号

関与先の皆さま

 こんにちは。昨年同様、ゲリラ豪雨など不安定な天候が続いていますね。蒸し暑い日々もまだまだ続くようです。夏休み、お盆休みに入る会社も多いと思いますが、熱中症予防など体調管理など十分気を付けてください。

 今回の事務所通信は、平成23年度税制改正法案の一部成立についての記事をご確認ください。震災の影響もあり、衆議院で審議されない状態が続いていましたが、6月末に期限切れとなる租税特別措置法の延長など与野党が合意した部分については、新しい法律として6月22日に成立しました。今回の税制改正は、ここ何年か注目されていた法人税減税や相続税の抜本改正が先送りされてしまい、目立った項目がないように思えますが、消費税の免税や95%ルールの見直しなど実務に影響のある重要な改正がありますので、ぜひご一読ください。

 今回のそれいゆ通信では、本編の売上アップの着眼点に引き続き、その前段階として大切な売上低下の原因分析についてふれてみたいと思います。
本編で取り上げた事例は、得意先要因と市場要因の事例でした。その他にあと2つ、売上低下の原因は次の4つに分けることができます。

①得意先要因:主要得意先が売上を落としている、得意先が倒産したなど
②市場要因:市場が冷え込み、総需要が減少している
③競合要因:競合企業や新規参入者の進出でシェアを食われている
④内部要因:社員が退社した、モラルが低下している

 分析に際しては、上記のような分類に従って対策を検討することになります。ただし、要因は一つとは限らず、複合している場合が多いため、何が一番影響しているかを掴まなければなりません。それらの要因の違いによって、対策が違ってくるからです。現在の社会情勢、経済環境を考えると、市場要因が原因だと予測できるケースが多いとはいえ、他の要因も検討し、安易に経済状況の悪化だけを売上低下の言い訳にしてはいけないでしょう。月次監査でお会いすると、どちらの会社様も、①得意先要因と②市場要因に大きく左右されているのがわかります。これらを踏まえたうえで、ぜひ③や④についても見直す機会を設けて検討してみてください。

 また、売上の内容を点検してみると、すべての商品や得意先が売上を落としているということはあまりなく、多くの場合、売上を伸ばしている商品や得意先があるのではないでしょうか。その実態と原因を明らかにすることが有効な対策につながるはずです。商品、得意先だけでなく、地域別、流通経路別、用途別、営業担当者別に捉えることも有効かもしれません。また、「得意先別・商品別」の分析など、複合的な分析も可能な限り検討してみてください。得意先ごとに、どの商品が貢献していて、何が足を引っ張っているのかがわかれば問題点が見えてくるはずです。
 
 本編に掲載されている4つの事例は、ほんの一握りの成功事例ですが、とはいえ長い経済不況から抜け出せないまま、現状を「しかたがない」とそのまま受け入れてしまっては自社の売上はますます減少し、回復の兆しに気付くこともできません。上記のような分析をきっかけに、何か少しでも行動に移すよう考えてみてはどうでしょうか。毎月監査でお会いする際に、ぜひ一緒に検討してきましょう。
 
 それでは、またお会いできるのを楽しみにしております。