コンビニ考

コンビニ考

それいゆ通信064号

関与先の皆さま

 こんにちは。いよいよ春がやってきましたね。桜が開花し、TVでも全国各地のお花見の模様が放送されています。東京では先週末が最後の見頃だったでしょうか。新入社員の入社した会社では、研修や配属で慌ただしい時期かと思います。新しい1年のスタート、一緒に頑張っていきましょう。それでは、事務所通信平成26年5月号とそれいゆ通信064号をお届けします。

 今回の事務所通信は、中小企業を応援する最新の公的補助金情報です。アベノミクスの大号令で現在政府は、経済再生を図ろうと様々な施策を講じています。平成25年度補正予算と平成26年度予算において、企業向けの補助金がいくつか設けられています。企業規模や業種などの要件があること、計画を事前に申請し、審査を通る必要があること、補助金は後払い、実施後にも報告義務があること等、手間や時間はかかりますが、設備等の導入の際には申請を検討する価値はあると思います。詳しい内容や事業計画作成など支援が必要な場合にはぜひご相談ください。

 
 今回のそれいゆ通信では、消費税率アップでも注目された小売業界、特にセブンイレブンとローソンの違い、また来月付での新人事発表したローソンの戦略などを考えてみたいと思います。

他にもコンビニは多くありますが、やはりこの2社は長年しのぎを削りながら革新をもたらしてきたというイメージがあります。それでも、2012年度の売上シェアでみると、セブンイレブン37.1%に対し、ローソン20.2%とセブンイレブンの一人勝ちの感があります。なぜセブンイレブンだけが勝ち続けるのでしょうか。1974年に1号店を豊洲で開店させ(ローソンは1975年大阪)、いち早く日本にコンビニ文化を定着させ、鈴木会長の元でのぶれない強さやこだわりなど保守的といわれることも多いですが、常に消費者目線での「便利」を追求し、変化に対応して王道を貫いています。近年では、住民票が取れたり、高品質PB、手軽に本格的な「セブンカフェ」、そして高齢者向けの宅配「セブンミール」など地域の拠点を目指す戦略が目立っています。

一方ローソンは、メデイアによく登場する新浪氏の長期政権から、以前ユニクロの社長も務めたことのある玉塚氏(現在はCOO)が来月社長(CEO)に就任することになり、経営体制を刷新し、特徴的な取り組みを磨き続け、セブンイレブンとの差別化を図ります。1号店の開店から40年、コンビニは、すぐに食べられる「冷蔵庫」代わりから、ATMを備えた「財布」代わり、最近では食卓にものぼるお惣菜も扱う「台所」代わりへと消費者のニーズの変化に対応して、店の在りようを変えてきています。先のセブンイレブンの地域拠点の戦略がまさにそうですが、さらにローソンにおいては、異なるニーズに合せて複数業態を採っているのをご存知でしょうか。①通常の「ローソン」②都市部の女性をターゲットにした「ナチュラルローソン」③108円均一と生鮮品の「ローソンストア100」④都市の住宅地でのスーパー代わりの「ローソンマート」、このように4つの業態を全国で使い分けているのはローソンだけのようです。また、「ポンタ」というポイントカードで収集した購買データをマーケティングに活用したりなど、新しい試みを導入するスピードはローソンに軍配があがるようです。

 コンビニは普段から使い慣れている店でばかり買い物をしがちですが、たまには違うコンビニに行くことで、品揃えやサービスからそれぞれのターゲットや戦略を考えてみるのも面白いかもしれません。私もひと頃プレミアムロールケーキを買いにローソンに通っていましたが、セブンイレブンのPBの品揃えに圧倒されて、ちょっと前にブームになった「金の食パン」でたまの贅沢をしたりしています。さて、皆さまのご近所には、どのコンビニが多いでしょうか。