自動車関連税制

自動車関連税制

それいゆ通信059号

関与先の皆さま

 今回のそれいゆ通信は、自動車関連税制とその改革について取り上げます。先月末、総務省より自動車関連税の改革案が示されましたが、それによると、消費税率がさらに上がる平成27年10月に向けて、現在の排気量に応じた自動車税と軽自動車税を、燃費を加味した基準に変えるという案でした。エコカー減税はあるものの、もともと税額の低い軽自動車や燃費の悪い高級車は増税になる見通しのため、メーカーからの反発は必至のようです。

 まずは、「自動車」にかかる税金をまとめてみましょう。まず①購入段階にかかる「自動車取得税」(5%)、②保有段階の「自動車税」(29,500円-111,000円/1年)or「軽自動車税」(7,200円/1年)、③車検時の「自動車重量税」(重さや使用年数により異なる)の3種類があります。このうち①②は地方税、③は国税です。

 自動車税制については、かねてから①自動車取得税が、購入時にかかる税金として消費税との二重課税だという指摘があり、その撤廃が論議されてきた経緯がありますが、この度、消費税が8%になる時点で自動車取得税率が5%⇒2%へ、消費税率10%時点ではいよいよ廃止が決まりました。ただその場合、地方自治体は年間1900億円の税収が失われることになるといわれています。

 そこで、その穴埋めの施策として浮上しているのが今回の②自動車税と軽自動車税の改正です。総務省はまだ具体的な計算方法や税額は示していませんが、税額が飛びぬけて低い軽自動車やハイブリッドでないスポーツカーや高級車など燃費が比較的悪い車を増税する方向のようです。今までは軽自動車は一律年間7,200円、それ以外は「排気量」に応じた税額でしたが、今後は「排気量」だけでなく「燃費」に応じた課税にすることで、地球温暖化を招くCO2の排出を減らすために、環境に優しい車への乗り換えを促すというアピールも含んでいるようにも思えます。そしてその結果、①自動車取得税の減収で減った地方財源を、②自動車税等で穴埋めしようというシナリオになりそうです。

 ただこの軽自動車税の増税については、軽ユーザーがいまや全自動車販売量の4割に達するということもあり、業界全体、特にスズキやダイハツから猛反発があり、今後の見通しは立っていません。また、来年4月からの消費増税に伴って自動車販売が落ち込む心配もあり、業界は戦々恐々としているようです。私たちにとっても、身近で高価な買い物の1つである自動車について、ぜひ関心を持って見守っていきましょう。