ふるさと納税制度の改正

ふるさと納税制度の改正

それいゆ通信077号

関与先の皆さま

 こんにちは。日中は汗ばむほどの陽気となり、夏の近いことを実感する季節になりましたが、関与先の皆様はいかがお過ごしでしょうか。関東圏ではあまり報道がされていませんが、5月17日は大阪都構想への賛否を問う住民投票が行われます。この住民投票は、地方自治史上、最大規模の住民投票といわれています。争点は、府と市による二重行政、住民サービスで、様々な世論調査を見ると賛否は拮抗しているそうです。大阪市は特別区になるのか。大阪市民ではありませんが、住民投票が行われる意義とその結果に注目したいところです。それでは、事務所通信平成27年6月号とともにそれいゆ通信077号をお届けします。

 今回の事務所通信は、『会社の「現場力」を高めよう』と題して、日本の中小企業の強みといわれる現場力を高めることで収益体質への転換を目指す考え方について3段階で解説しています。「平凡な現場」にとどまらず「非凡な現場」へ進化させ、他社との決定的な差別化を図るには、本編で述べているとおり、まず「保つ能力」を鍛え続けて盤石なものにし、「よりよくする能力」を磨き改善を習慣化した現場にまで高めていく必要があります。そして、「新しいものを生み出す能力」が発揮できるレベルまで進化させることが現場力の目指す究極の姿といえます。チェックリストもありますので、皆様の会社の「現場力」を是非チェックしてみてください。

 今回のそれいゆ通信では、今年度から変わった身近な制度第2弾として、「ふるさと納税制度の改正」について取り上げたいと思います。そもそも、ふるさと納税制度とは、ふるさとや応援したい地方自治体に寄附をすると寄附金額から2,000円を差し引いた金額が、一定限度額まで、原則として所得税・個人住民税から全額が控除される制度です。これによって、地域社会の活性化や人口減少対策にも効果があるとの評価があるなど、さまざまな意義をもつ制度といわれています。こうした点をさらに活かし、政府の最重点課題となっている「地方創生」を推進するため、平成27年度の税制改正において、ふるさと納税の拡充が行われました。今までは、個人住民税の所得割額の1割が控除額でしたが、これが2倍の2割に引き上げられました。また、給与所得者であれば、平成27年4月1日以降のふるさと納税から、寄附先の地方自治体に寄附の控除申請を要請することで、原則として確定申告が不要になります。

 ※平成27年3月31日までに寄附をした場合、又は、5ヶ所超の地方自治体に寄附をした場合は確定申告が必要となります。

 このような改正がなされましたが、ふるさと納税といえば、どうしても注目せざるを得ないのが「お礼の品」ですよね。ふるさと納税関連の本やインターネットで調べると、やはり上位は「肉」、「海産物」、「米」といった食品です。控除額は年収にもよりますが、2,000円を除いた寄附額が控除されるので、実質2,000円で美味しい物が食べられることになります。変わったところでは、ヘラクレスオオカブトムシ(香川県東かがわ市、27,000円以上)、すみだ北斎美術館1日館長(東京墨田区、100,000円以上)、ケーブルテレビニュースキャスター(兵庫県多可郡多可町、1,000,000円以上)といったものがあります。ちなみに、当事務所所長は大阪府泉佐野市に寄附をし、特産品である水なすをお礼としてもらうと小躍りしていました。私は、お肉狙いでどの地方自治体に寄附をしようか迷っています。

 しかし、あまり迷っている時間はないかもしれません。それは、総務省が豪華特典について自粛を要請しているからです。ふるさと納税によって、寄附先の地方自治体からお礼として特産品など豪華な特典が送られることが話題になり、これを目当てに複数の地方自治体に寄附をする人が増えています。このため、総務省は、寄附募集時に「対価の提供」と誤解を招く可能性のある行為などの自粛を地方自治体に要請することになりました。その結果、返戻割合の高い特産品や換金性のあるプリペイドカードなどは自粛されそうです。皆様もふるさと納税はお早めに!(T.N記)