25年度税制改正について

25年度税制改正について

それいゆ通信051号

関与先の皆さま

 日差しが温かく感じられる日も多くなり、いよいよ春が近づいてきているように思いますが、いかがお過ごしでしょうか。

 事務所の前の桜並木のつぼみも少しずつ膨らんできています。今年は桜の開花が早いと聞きましたが、東京駅近辺にいらっしゃる際には、ぜひ事務所にお越しください。特等席でお花見ができるようにご用意してお待ちしております!満開の時期には、窓から見下ろすと道路が見えないほど素晴らしい眺めです。それでは、事務所通信の平成25年4月号とともに「それいゆ通信051号」をお届けします。

 今回の事務所通信は、先月に引き続き「財務経営力を高めよう」という特集で、今回は、限界利益について解説してあります。ショートケーキとシュークリームを例にして、どちらをどれだけ売れば、どのように利益が出るか、どのようにすれば計算できるかというイメージを掴んでください。売れ筋商品ではなくとも、利益に貢献している商品があることも考えられ、限界利益の高い商品の売り上げ構成を見直すことも利益改善の方法の1つであることを確認してみてください。

 今回のそれいゆ通信では、今年度税制改正について、法人関連のポイントをいくつかご説
明します。

 今年度の税制改正は、紙面やTVで取り上げられている通り、雇用の改善を重要課題に掲げる安倍政権の意向を踏まえ、雇用や所得の拡大を目的としたものが多いのが特徴といえるでしょう。企業関係では、雇用喚起による減税や、消費を活発化させ経済に活気を取り戻させるための交際費減税があります。

 まず、企業において交際費は、所得計算上は一定限度額までしかその事業年度の経費には算入できないというのは既にご存じの通りですが、中小企業にとっては、販売促進など営業活動上不可欠であり、経費として認められることは非常に重要です。そこで、近年の改正により、資本金1億円以下の中小企業に限って、1人当たり5,000円以下の飲食費については、限度なく経費と認められるという特例が設けられたのは、巡回監査の折に触れてご案内している通りです。今回はさらに進んで、従来は年間600万円までは10%が経費と認められなかった(つまりは90%のみは経費に計上できた)という分を、800万円までは全額経費にしようという改正となりました。「税制改正号」本編に具体例があるので、数値をみると理解しやすいと思います。

 次に、雇用関係の税制改正は二つの柱から成ります。1つ目は、民主党政権時代からすでに始まっている「雇用促進税制」の拡充です。従業員を1人増やすごとに法人税額の控除があり、従来は1人20万円でしたが、今年度から40万円となりました。適用要件や判定要件があり、事前にハローワークでの手続きが必要になるなど手間はかかりますが、従業員の新規採用を予定している法人はぜひ適用をご検討ください。実際に適用できると、かなり納税が減ってくるのでとても効果があります!

 雇用関係の2つ目は、支払給与総額を前年と比べて増やした分の10%相当額、それを最大で法人税額の20%に達するまで控除できるという制度の創設です。企業がボーナスを支給したり、非正規労働者を正社員に転換して給与を上げたりする場合を想定しています。こちらにも細かい適用要件はありますが、平成25年4月開始の事業年度から始まりますので、来期の予算を考える際に参考にしてください。「税制改正号」本編では、B社の数値でイメージしやすい事例を掲載しています。

 その他、商業・サービス等投資促進税制という、こちらは中小企業庁に認定された経営革新等支援機関からの助言により設備等の取得をした法人に対する税額控除制度なども創設されました。当会計事務所も上記の経営革新支援機関に認定されていますので、店舗の改修や器具等の入替えを検討する際にはぜひご相談ください。適用条件や対象となる設備についてご説明いたします。

 改正事項については、適用開始のスケジュールが様々で、決算月ごとに導入時期も異なります。また戦略的に使って行けるかどうかは事前の準備次第でもあります。今の時期は、来期の予算を立てる時期でもありますので、ぜひ一緒に検討していきましょう。