一点集中主義戦略とは
2012/02/10
それいゆ通信038号
関与先の皆さま
こんにちは。寒い日が続いています。またインフルエンザの流行も報道され、備えあれば・・・と、ぜひ暖かくお過ごしくださいね。そして今年の冬も元気に乗り切りましょう。それでは、事務所通信平成24年3月号とそれいゆ通信038号をお届けします。
今回の事務所通信は、期末における実地棚卸についての確認内容です。チェックリストをヒントに、日頃の在庫管理の重要性と整理整頓について理解をすすめていただきたいと思います。
今回のそれいゆ通信では、ランチェスターの法則を取り上げます。戦略というと、約2500年前の「孫子の兵法」に始まり、現在に至るまで様々なバイブルがありますが、その中でも企業間でいかにして勝ち残っていくかの理論と実践を体系的に構築したものがランチェスター戦略といわれるものです。TVや映画化した「もしドラ」現象はまだ記憶に新しいところですが、このように昨今は従来とっつきにくいと敬遠されていた経済学や経営学について比較的わかりやすい解説書などが出版されています。現代経済は不確定な要素が多くなり、環境の変化に対応していくことが何より重要とされていますが、変革の前にまずは王道を知るということも必要ではないかと思います。ランチェスター戦略は弱者と強者に分けて考察していますが、そこで今回は、大企業に比べて弱者という意味での中小企業向け一点集中主義戦略のエッセンスだけを少し取り上げたいと思います。
「大衆相手の商品を避け小衆相手の商品に力を入れよ」・・・商品対策の教え
市場規模が大きな商品には必ず大企業が何社も参入しているもので、こうなると中小企業は太刀打ちできず体力が持たなくなる恐れがあります。そこで商品対策を検討することになりますが、この目的は市場規模が大きな商品を取り扱うことにあるのではなく、競争力のある強い商品や市場占有率第1位の商品を作り上げることにあります。これを実現するには、「鶏口となるも牛後となるなかれ」の教訓に従い、自社の経営規模でも1位になれる「市場規模が小さい商品」を重点目標に選べばいいと考えられます。
1番目は、自社が強い商品や特徴がある商品に力を入れます。すでに強い商品や特徴がある商品は、社長の性格と自社の経営力が一致していることから結果が出ていると考え、これにもっと注力することで1位の商品が作れるのではないでしょうか。
2番目は、特殊用途の商品や専門商品に力を入れます。このような商品は市場規模が小さく、大企業が手を出しづらいところなので、比較的早く1位の商品が作れると考えられます。
3番目は、業界でこの商品は儲からないと信じられている商品に注目します。このような場合、商品の作り方や売り方に思い切って革新を加えると他社が力を入れていないだけに、利益に貢献する商品ができる可能性があります。
以上が、ランチェスター戦略一点集中主義の簡単な解説ですが、自社とかけ離れていると思わず、この短い文章の中からでも何かきっかけを見つけるという意識が大切です。しつこく、いちいち自社に重ね合わせて、細かい点の検討を続けていくことが改善への第一歩となるはずです。参考にならないと思い込まず、いつもと違った視点で考えてみてはいかがでしょうか。繁栄のために、手間を押しまず努力を重ねていきましょう。