住民税の季節です

住民税の季節です

それいゆ通信030号

関与先の皆さま

 こんにちは。ついに関東も梅雨入りです。夏の節電も切実ですが、この時期の蒸し暑さ対策にも苦労しますね。今年は例年以上に、雨グッズが種類も多く店頭に並んでいます。少しでも快適に過ごせるように工夫したいですね。

 今回の事務所通信は、5頁下段の「銀行に信頼される決算書」についてご説明します。決算書の信頼性を高めるものとして「税理士法第33条の2の添付書面」というものがあります。お手元の決算書ファイルには綴られていますか。当事務所では、経理担当者により自計化が推進され、月次監査を毎月確実に実施できている法人様に限り、この税理士法に基づく書面を添付して、税務申告を行っております。

 この書面を一読いただくとわかりますが、毎月訪問時に、どの項目を監査し、どのような税務相談を受け、どのように回答したかを網羅しています。これは税務署が調査においてぜひ確認したいと思われるポイント項目を先取りして記載しているものです。これにより、この書面が添付された決算書を見た金融機関からは、月次監査による関与が担保されていると好評をいただいています。ただ、我々も税理士業務としての重大な責任を持ってこの書面を添付する必要があることから、自計化が進んでいなかったり、会計や税務について法人様側で把握できていない、または全ての資料をご提出いただけていないと判断される法人様については、この書面の添付は控えさせていただいております。

 決算書をお渡しする際には、内容について細かくご説明申し上げているつもりですが、不明点や疑問点がありましたら、いつでもご質問ください。今後も、少しずつでも透明性が高く、信頼のできる決算書を作っていけるように努力していきます。

 さて。今回のそれいゆ通信では、そろそろお手元に通知書が届いている住民税についてです。ご自身の金額を確認しながらお読みいただくとわかりやすいと思います。
個人住民税は、地域社会の費用をできるだけ多くの住民に分担してもらおうという性格をもっており、前年の1月から12月までの所得金額に応じて課税される「所得割」と所得金額にかかわらず定額で課税される「均等割」というものを合算して計算されます。簡単に表すと下記の通りです。

●所得割・・・(前年の総所得金額等―所得控除額)×10%(市町村民税6%+道府県民税4%)
    ※所得控除額とは、扶養家族の人数等によって変わります。
     税率は東京、埼玉、茨城、千葉は同じ10%、神奈川は10.025%

●均等割・・・市町村民税3,000円+道府県民税1,000円=合計4,000円
    ※東京、埼玉、茨城、千葉は4,000円、神奈川は5,200円
     どこに住んでもあまり差はない?!

 お勤めの皆さんの場合、年末調整の時期に源泉徴収票をお渡ししますが、これと同様の内容が勤務先からお住まいの市区町村に送られています。そしてこの前年の所得についてのデータをもとに、実に半年近く(!)もかけて区役所や市役所で計算が行われ、5月中旬に住民税の課税額が皆さんのお手元に届くようになっているのです。

 また、よく○○市や△△区は住民税が安いという話を聞いたりしますが、基本的には関東圏内ではあまり税額に大差ないことがお分かりいただけるかと思います。ただ、上記の計算は所得が給与だけの場合であり、もしその他の種類の所得(不動産、譲渡、年金や配当等)があったり、生命保険料等の控除の有無などの個人的な事情によっては、かなり変動が生じる場合があるので、その点は留意しなくてはなりません。

 今年の住民税については、ぜひ一度じっくりその金額を眺めてみて、その対価としてどれほどの地域のサービスを受けているかなど考えるきっかけにしていただければと思います。

 それでは、またお会いしましょう。