年末調整と確定申告
2016/12/05
それいゆ通信096号
関与先の皆さま
関与先の皆さま
こんにちは。今年も残り1か月を切りました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックで外国人観光客の増加が見込まれる中、都営地下鉄では今年度中に日英中韓の4言語に対応し、画面上に表示された観光スポットや路線図から目的地を探して切符を購入できる券売機を新設するそうです。このような話題からでも2020年の準備が着々と進んでいることがよくわかりますね。それでは、事務所通信平成29年1月号とともにそれいゆ通信96号、毎年恒例の一粒万倍日カレンダーをお届けします。
今回の事務所通信では、給与支払いに関係する法定調書や外部への報酬等の支払いに関係する法定調書のマイナンバー記載上の注意点について取り上げられています。主に前者では源泉徴収票等へのマイナンバー記載の猶予、本人へ交付する源泉徴収票などのマイナンバー記載不要について、後者では報酬等の支払先等からマイナンバーの提供が受けられない場合の対応の仕方について紹介されていますので是非ご一読ください。
今回のそれいゆ通信では、「年末調整と確定申告」について取り上げます。源泉徴収と年末調整の仕組みは、国が確実に税金を集めるためにできた制度であるといわれており、日本で給与所得に源泉徴収が導入されたのは1940年で、背景には効率的な戦費調達がありました。一方、年末調整が導入されたのは1947年で、源泉徴収をしていればわざわざ確定申告をしなくて済む簡単な仕組みとして採用されました。
では、自営業者などは自分で毎年2~3月に税務署に所得税額を確定申告して納めますが、会社員は一般的に会社が行う年末調整により確定申告をする必要がないことが多いのはなぜでしょうか。それは会社が給料から所得税額を天引きして代わりに税務署に納める源泉徴収の仕組みがあるためです。会社は社員の月給やボーナスから国税庁が毎年作成する「源泉徴収税額表」に基づいて所得税額を差し引いています。
ただ、この税額はあくまでも概算の税額であることから、年末調整により控除が受けられる生命保険料や社会保険料なども踏まえて計算した年税額と会社が毎月の源泉徴収で納めた金額の差を年末調整により計算した年税額に合わせることで毎年の最終的な税額が確定し、会社が発行する源泉徴収票の「源泉徴収税額」で確認することができます。
会社員でも確定申告が必要となる場合とはいったいどのような場合でしょうか。例えば、家賃などの副収入が年間20万円を超える場合や同一世帯で一定額以上の自己負担があれば受けられる医療費控除、住宅ローン控除の適用初年度の場合などが挙げられます。
ちなみに住宅ローン控除の適用初年度に確定申告が必要な理由は、税務署がこの控除の適用要件に合致しているかどうか申告書に添付された住民票の写し、住宅ローンの残高証明書、家屋の登記事項証明書や売買契約書の写しなどの提出書類から判断するためで、2年目以降は年末調整でこの控除を受けることができます。ただし、確定申告した後に税務署から年末調整の際に必要となる「住宅借入金等特別控除申告書」が控除できる年分まとめて送られてくるため、もし紛失してしまうと、社員本人が住所地を所管する税務署に再交付の手続きをしなければならないので注意が必要です。
今号で今年最後のそれいゆ通信となります。忘年会が続きますが体調に気を付け、最後まで全力で走りましょう!