経営計画の種類
2010/04/05
それいゆ通信016号
関与先の皆さま
いつもお世話になっております。いよいよ春も近付き、コートの要らない日も多くなってきましたね。4月ということで、会社やご家庭でも様々な変化があったのではないでしょうか。進化論で有名なダーウィンは、『唯一生き残るのは、変化できる者である』と言っていますが、今の時代にもぴったりの名言だと思います。環境の変化に適合していかなければならないのは動植物だけではありません、私たちもまだまだ厳しい経済環境のすき間をぬって生き残りましょう。それでは、事務所通信平成22年5月号とともに「それいゆ通信016号」をお届けします。
今回の事務所通信は、『自社の安全性をみる』がテーマです。経営分析のうち、安全性分析をとりあげました。経営分析は難しいという印象をお持ちの方は少なくないと思います。そこで、ぜひ自社の試算表等、監査時にお渡ししている帳票で数値を計算してみてください。損益ばかりに目を向けてしまいがちの試算表ですが、財務面の健全性を確保するためには、資金繰りや借入依存度なども重要な経営指標です。
さて、今回のそれいゆ通信では、経営計画の種類についてご説明します。今年度の当事務所の重点テーマの1つとして、「経営計画策定のサポートとそれを活用した経営助言」がありますので、先月に引き続き説明をしていきたいと思います。
経営計画は、長期経営計画(10年程度)、中期経営計画(3-5年)、短期経営計画(1年)等に区分することができます。それぞれの性格の違いを整理してみましょう。
長期経営計画は、経営方針や長期的なビジョン、10年後にどうなっていたいのか、といった事柄をまとめたもので、中期経営計画は、企業の進むべき方向性を明確にし、「今、何をなすべきか」を明らかにすることを狙いとして策定されるものであり「現状からみた将来を示すもの」と言えるでしょう。現状が変われば将来も変わるわけですから、中期経営計画も毎年作り直すことが理想的です。それに対し、短期経営計画は数値計画などを詳細に立てたものであり、「今を知るためのモノサシ」だといえます。予算と実績の際を測るためのものですから、こちらは一度作ったら原則変えてはいけないものです。
当事務所では現在、関与先皆様の短期経営計画作りのサポートをしています。仮に毎期の売上数値に変動が見込めないとしても、1年分の経費予算をたてることで、少しでも業務改善、効率化へとつながっていくことを目標に社長様ご担当者様と相談しながら計画を立てています。
ただし、実際の運用面においては、短期経営計画だけでは限界があります。例えば現状赤字で苦しんでいる企業の場合、そこを1年後に黒字化するのは至難の業です。せっかく計画を立てても、画餅に陥ってしまうことになり、結局意欲もわかず、未来につながらなくなってしまいます。でも中期経営計画であれば、たとえ来年が赤字でも「数年後には黒字になる」という希望を込めて策定することができます。
今は短期計画からであっても、いずれ毎年新しい中期計画を立て、そこから短期計画に落とし込むことで予算化し、予実管理を行っていけるような理想的な体制を作っていきましょう。