経営計画と予算
2010/03/17
それいゆ通信015号
関与先の皆さま
いつもお世話になっております。確定申告シーズンも終わり、花粉が飛び始め、春はもうすぐそこですね。事務所前の江戸通りでは、白コブシの花が早くも満開です。見た目がそっくりのモクレンの花と区別のつけ方はご存知ですか?よくみると、コブシの花の下には小さな葉がついているんだそうです。白い花を見かけたら、ちょっと立ち止まってみてはいかがでしょう。それでは、事務所通信平成22年4月号とともに「それいゆ通信015号」をお届けします。
今回の事務所通信は、『会社の資産・負債を実態で見てみる』がテーマです。毎月の訪問の際、私たちは会社の業績をチェックした後、社長様やご担当者様にその内容を説明したり、今後の見通しなど打合せしたりしますが、どうしても営業損益(PL)の話に終始してしまい、なかなか会社の資産負債(BS)の方にまで及んで検討できていないことが多くあります。この実態でバランスシートを表す、つまり財産を時価で評価するというのは非常に難しいテーマですが、金融機関が企業格付けを行う際に、決算書を実態で修正したり、経営改善計画を策定する上で近年ますます重要になっています。キャッシュフロー、変動損益と並んで概要をつかんでおくことで経営も理解しやすくなります。ぜひご一読ください。
さて、今回のそれいゆ通信では、経営計画と予算の考え方についてご説明します。
まず、経営計画とは、企業がその将来に向かってのビジョン、企業目標を達成するための計画をさし、予算はその目標を達成するため、また改善点を見つけ出し解決していくための具体的な数値目標です。
経営計画を達成するためには、会社の業績管理を進めていくことになりますが、これは中長期的な戦略目標で決まった基本的な枠組みの中で、組織として社長が社員に対して影響力を与えるプロセスであり、その中心は予算管理になります。
この予算によって、全社や各部門の目標が決定され、その達成に必要な資源の確保、つまり売上高の比率による必要経費が見積り計上されることになります。予算と今期の実績を比較し、業績評価を行うことで、目標達成に向けての社員のモチベーションを高めることができます。そこで今年度より、当事務所からも皆様には予算の策定をお願いしているところです。
予算は、業務全体を見直し点検しながら策定するため、その過程も大切ですが、予算策定後、行動計画に落とし込み、管理し続けていくことこそがとても重要となります。一般にこれをマネジメントサイクルと呼んで、企業体は計画(Plan)、実行(Do)、検証(Check)、対策(Action)という業績管理体制の構築を目指します。いわゆるPCDAサイクルと呼ばれるものです。
この先の見えない不況下では、資金繰りがラクラクという社長様はあまりいらっしゃらないと思います。従来通り現状を分析し過去と比較するのに加えて、今後は予算を立て、未来を見据え、資金繰りを考えながら経営していくことがますます必要になります。今年度決算期を迎える法人から順次来期予算の策定のご提案をしていきますので、ぜひ一緒に取り組んでいきましょう。