損益分岐点とは
2010/07/10
それいゆ通信019号
関与先の皆さま
いつもお世話になっております。夏を目の前に、蒸し暑く不安定なお天気が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。雨降りの日はつい憂鬱になりがちですが、気持ちだけは常に前向きで頑張っていきましょう。それでは、事務所通信平成22年8月号とともに「それいゆ通信019号」をお届けします。
今回の事務所通信は、『損益分岐点売上高の見方と活かし方』がテーマです。損益分岐点から経営体質のパターンをみることができます。売上高と利益が同じでも変動費の割合が高いか、固定費の割合が高いかで、企業体質は異なります。例えば固定費が低い企業は、一般的に不況に強いといわれています。その理由やそれぞれの用語の解説もありますので、ご一読ください。
今回のそれいゆ通信は、引き続き損益分岐点について取り上げます。変動費や固定費の用語説明及び解説は事務所通信を読んでいただくとして、ぜひ自社の損益分岐点売上高を計算してみましょう。以下はお手元に試算表をご用意して読んでいただくといいと思います。
(1)損益分岐点売上高:損益分岐点売上高とは、経常損失を出すか、経常利益を出すか損益の分かれ目のことで、実際の売上高が損益分岐点売上高よりも小さい場合は、営業ベースで損失が出ていることになります。
損益分岐点売上高 = 固定費 / 1-(変動費÷売上高)
(2)限界利益率:限界利益率とは、売上高に対する限界利益の割合のことで、限界利益とは、売上高から売上高に比例して増減する変動費を差し引いたものです。
限界利益率(%) = 〔 1- 変動費 〕× 100 / 売上高
次に、自社の損益分岐点が計算できたところで、以下の経営体質のパターンのどこに当てはまるか検討してみましょう。変動費と固定費の組合せにより4区分されるのが一般的です。通常まずは業種で大まかに区分されますが、それでも同業者であっても、売上に占める変動費と固定費の割合が異なるため、売上高や利益が同じでも企業体質は異なります。(配布しているそれいゆ通信では図と解説入りで説明しています)
①高固定費・高変動費型
②低固定費・高変動費型
③高固定費・低変動費型
④低固定費・低変動費型
いかがでしたか。今回の内容は非常に典型的で自社の業績検討には当てはめづらいと感じたかもしれませんが、少しでも業務改善のヒントになればと思います。今後は、紙面だけではなかなか難しいので、事務所主催の経理と経営の初歩についての研修を考えています。テキストや研修資料を準備している最中ですので、また具体的な日時や場所については別途ご案内いたします。
今回も最後までお読みいただいてありがとうございました。ではまたお会いできるのをたのしみにしております。