マグロの危機
2009/12/06
それいゆ通信012号
関与先の皆さま
いつもお世話になっております。早いものでもう師走ですね!ますます寒くなっていきますが、暴飲暴食にも気をつけて、体調管理には十分ご注意ください。また、次頁には、来年の一粒万倍日カレンダーを載せましたので、ご参考にどうぞ。それでは、事務所通信の平成22年1月号とともに「それいゆ通信012号」をお届けします。
今回の事務所通信は、『売上アップのためにできること』が特集で、取り上げている事例は、TVや雑誌等で紹介されていたので、ご存知の方も多いと思います。経済構造が複雑化し、顧客ニーズも多様化している今日においては、「良い品をより安く売ればいい」ということが通用しづらくなっていますね。こちらの記事については、経理ご担当者だけでなく、ぜひ営業に関わる全ての皆様に回覧して、全社をあげて考えてみていただきたいと思います。また、記事を踏まえ、営業会議をはじめ今の事業を見直す機会を持つことをなど検討みてはいかがでしょうか。
さて、今回のそれいゆ通信ですが、我々日本人の食卓に昔からなじみの深い「マグロ」の危機についてです。今世界的にマグロの保全が問題になっているのをご存知ですか?
世界のマグロ漁獲量は1970年代半ばには90万㌧程度でしたが、世界中で寿司がブームになるなど2006年には200万㌧に達し、約30年で倍増しました。そして日本はその漁獲量の約3割を食べる世界一の消費国ですが、日本の船で漁獲するだけでは当然足りず、地中海の国々やオーストラリア等から大量に輸入してまかなっています。
マグロの種類はホンマグロと呼ばれるクロマグロやインドマグロと総称されるメバチやキハダ、ビンナガなどがあります。ホンマグロは高級品でしたが、小型魚を巻き網船で捕獲し、いけすで太らせて出荷する「畜養」という技術が進み、低価格で脂がのったマグロの提供が可能になったわけですが、今度はこの小型魚や幼魚の乱獲によるマグロ資源の枯渇を懸念する声が強まっているそうです。
世界の海を回遊するマグロは一国だけでは管理が出来ないため、世界の海域ごとに5つの国際機関が置かれて漁獲量、漁獲してよい大きさなどを決めています。日本が所属する大西洋マグロ類保存国際委員会では、来年2010年の漁獲枠を09年比4割減とする大幅な削減計画を全会一致で決定したそうです。つまり、来年度以降極度に供給量が落ちることになり、せっかく低価格に近づいていたマグロですが、またまた高級魚へと戻っていきそうです。ただ今現在は、景気低迷で買い控えられていた分が在庫として積み上がっている状況のようで、いますぐ価格高騰といったことにはならないとの見通しが発表されています。とはいえ、これから年末年始、きっと高級魚のお刺身が皆様の食卓に上ることもあるでしょう。そんなときにはぜひ、マグロの危機について少しお考えになってみてはいかがでしょうか。
それではまたお会いできるのを楽しみにしております。