損害保険の話
2015/07/07
それいゆ通信079号
関与先の皆さま
こんにちは。今年は九州や西日本で豪雨が続き、また、口永良部島が噴火し、箱根、浅間山などは噴火警戒レベルが上昇しています。今、日本ではいったい何が起こっているのでしょうか。しかし、嬉しいニュースもあります。6月26日の報道によると、企業業績回復で2014年度の国税収が21年ぶりの高水準になったそうです。実に4兆円近い上方修正です。さらに、日銀企業短期経済観測調査(短観)で、景況感を示す業況判断指数が製造業、非製造業共に上昇したそうです。下半期は中小企業も恩恵を受けられるかもしれませんね。それでは、事務所通信平成27年8月号とともにそれいゆ通信079号をお届けします。
今回の事務所通信は、「120年ぶりの民法大改正」について取り上げています。民法が制定されたのは明治29年(1896年)で、その間細かな改正はありましたが、大幅な改正は今回が初めてです。改正の目的は、読みやすくわかりやすい条文にすることと、時代の変化に対応することです。短期消滅時効の廃止や法定利率の引下げ、個人保証の制限などは中小企業にも大きな影響があるので是非ご確認ください。 ※ 改正民法は、平成30年からの施行になります。
今回のそれいゆ通信では、損害保険の話をしたいと思います。損害保険というと、地震や火災、自動車など、陸上のものを思い浮かべますよね?しかし、損害保険のルーツは海上、「船」です。損害保険の歴史は意外と古く、古代ギリシャ時代、海上輸送で嵐や海賊など予期せぬ危険に遭遇した場合に、損害を荷主と船主で負担するという習慣から始まりました。日本では、16~17世紀に活躍した朱印船で損害保険の考え方が誕生しました。今回、損害保険を取り上げようと思ったのは、マイナンバーを対象にした企業向けの保険が損保ジャパン日本興亜から発売されることになったからです。それいゆ通信や別紙でもお伝えしているように、マイナンバー制度が平成28年1月からスタートします。しかし、ご存じのとおり、日本年金機構や協会けんぽの情報漏えい事件がありました。そこで自社のマイナンバーに対する体制について不安視する企業や不測のサイバー攻撃のためにこの保険が登場しました。補償の対象は、不正なアクセスやウイルス送付などのサイバー攻撃で外部に流出した際に発生するシステム改修費や損害賠償などの訴訟費用のほか、マイナンバーを悪用された社員らの被害なども含まれるそうです。と、真面目に損害保険の話だけをしていると面白くないので、もうすぐ始まる夏季休暇に向けて活用できそうなちょっとユニークな保険の話をしたいと思います。
楽しみにしていたコンサートを急用でキャンセルしなければならなくなった、旅行先で雨に降られたなど、不測のトラブルが発生することってありますよね。そんなとき、不測のトラブルによる損害を補償してくれる保険をご存知ですか?
チケットガード(チケットガード少額短期保険) … 病気やけが、宿泊を伴う急な出張などでイベントに行けなかったときに、チケット代金を補償してくれる保険。チケットぴあのウェブサイトを通じて購入したチケットが対象で、保険料はチケット代の10%前後。購入日から7日以内の申し込みが必要。当日、会場に向かう公共交通機関が運休・欠航または2時間以上遅れたり、親の介護などで観覧できなかったりした場合も保険金が下りる。利用者は、仕事が忙しく、高齢の親や小さい子供を持つ比率が高い40~50歳代が多いそうです。
お天気保険(ジャパン少額短期保険) … 降雨量やアメダスのデータによって宿泊代が返金となる保険。国内旅行はベストリザーブかHIS、海外旅行はHISが対象となる。ベストリザーブの場合、宿泊代金の10%が保険料。宿泊日の午後3~6時の間に1時間当たり0.5ミリ以上の雨が降り続けば1日分の宿泊代が全額返金。HISの場合は、アメダスのデータを使い、雨の降る時間の長さと保険料に応じて返金額が変わる。
一日自動車保険「ちょいのり」(東京海上日動火災保険) … 親や知人などから借りた車を運転する際に加入できる1日単位の自動車保険。携帯電話からの申し込みができる。保険料は1日500円~。
最近はゲリラ豪雨などの異常気象も多いですし、これから台風シーズンです。夏季休暇を取られる方はお気を付け下さいね!